映画祭に行こう 映画館に行こう

て言うほど行ってない人間の

2017/京都国際映画祭①

f:id:uchide_eiga:20200916144811j:plain

ネルーダ』応援芸人 NON STYLE

 

10/13~16開催。


ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』(チリ/アルゼンチン/フランス/スペイン)


ガエル・ガルシア・ベルナル出演。うれし〜♪

 ネルーダはチリで大変な有名人で、外交官であり政治家であり詩人。

〈作品解説〉
第二次世界大戦終了後、冷戦の影響はチリにも及び、上院議員
パブロ・ネルーダ(ルイス・ニェッコ)が共産党を裏切った政府
を非難したこと対し、ゴンサレス・ビデラ大統領(アルフレド・
カストロ)は警察官オスカル・ペルショノー(ガエル・ガルシア
ベルナル)に、ネルーダの逮捕を命じるのであった。
ここぞとばかりに逮捕するのに一心不乱のペルショノーとは裏腹
にわざと痕跡を残しながら捕まる寸前のところで逃亡するネルーダ。
彼は逃亡中にもかかわらず詩集「大いなる歌」を書いてしまうほど
の余裕をみせる。そして遂に国外逃亡の手筈が整うだが、数奇な逃
亡劇を繰り返す二人の運命はいかに…

 

実話がもとで、逃亡劇だといってもネルーダは「外出するな」と言
われてるのに同行人らを何度も裏切って女遊びしたり酒を飲んだり。
ハラハラするんだが、コント?と思うくらいの"見つからないシーン"
もある。この話を知らないので、ラストは「えーっ!!」。なんなん
だろう、いったい。独白のようなナレーションも独特。

全体的には、眠くなるかも。
私はガエル・ガルシア・ベルナルが好きなので、警察官役のこの作
品が映画祭で上映されると知ってめちゃくちゃ楽しみだったけど、
映画祭だというのに一般客はたったの11人…パッと見ぃ1桁かと…。
チリではチェ・ゲバラと並ぶほどの英雄らしいが、日本人なら知ら
ないと興味ないよねー。
観客が11人ぽっちだから、映画祭では南米とかこのテの作品上映
は今後やめよう、なんてことにならないでほしい…。

舞台挨拶が行われ、NON STYLEの2人が登場。
「井上は逃亡者ということで〜」と、やはりイジられていた。
コメディ要素がなく、朝イチ上映のため「朝から見るには重苦し
いかも。けど、2・3、笑うところもある」と紹介。
見どころは"猟奇的なパーティ"で、キーマンは"オカマ"。

ガエル君ファンはもちろん、南米映画(とヨーロッパ合作だけど)
なんてなかなか触れる機会がないので多くの方に知ってほしい。
少し織りこまれている恋愛模様も、ちょっと切ない。

 

 

f:id:uchide_eiga:20200916145114j:plain

増山超能力事務所

f:id:uchide_eiga:20200916145200j:plain


増山超能力師事務所〜激情版は恋の味 』(日本)


画像は沖縄国際映画祭の舞台挨拶。
フツーに楽しめる映画。


〈作品解説〉
舞台は超能力が特別ではなくなった世界。日暮里にある「増山超能
力師事務所」では、所長の増山圭太郎(田中直樹)率いる 超能力師
たちが人助けをするため、さまざまな依頼の解決に奔走していた。
二級超能力師の高原篤志浅香航大)は、ビラ配りのかたわら姉妹
が営む弁当屋に通ううちに、青葉(三根梓)のことが好きになる。
ある日、彼女の姉の夫が殺害され……。


ドラマは私は見ておらず、映画が先。先日、テレビの再放送第一話
だけ初めて見た。なるほど、こうやってこの事務所が発足したのか。

映画は、申し訳ないが、しょーもない恋物語と並行して事件が進む。
三根梓ってどっかで見たなぁと思ったら。『月曜日のルカ』という、
ワタシ的ワースト5に入るくだらない映画の主人公だった子だぁ〜ア
レはひどかった。でもこれはフツーに楽しめた。

まぁ、ドラマを見ていた方ならうれしい映画化だと思う。
増山所長?の「面倒くさいなぁ」も出てくるし。
でも、山形と東京と関西でしか上映されないんやね。

 

 

f:id:uchide_eiga:20200916155818j:plain

『 台湾より愛をこめて 』(日本)


撮影裏話を聞くと、もう一度観たくなる。


〈作品解説〉
夢を諦めきれず芸人を続ける男が、元相方と久しぶりに出会い、
勢いでかつての約束を果たしに台湾を旅する青春ロードムービー
それぞれに思いを抱えながら、台湾のある街を目指し、トラブル
と出会いを繰り返す。果たして二人は最後にどんな選択をするのか!

台湾の若い人で知らない者はいないといってもいいくらいブレイ
ク中の若手監督・三原慧悟が、大野拓朗、落合モトキ、岡本夏美
長谷川忍(シソンヌ)といった人気俳優と共に、ほぼ全編、台湾
ロケで作り上げた長編デビュー作。
2018年には、日本と台湾での作品上映が決定しており、新たな旋
風を巻き起こす!

 

これは来年公開予定なので、ネタバレNGとのこと。
えっ、それって全作そうなるのでは…と思いつつ、はっきり言われ
ると守らなければ。

大野拓朗、落合モトキ出演。登場人物たちはテンションが高い。
上映後の舞台挨拶で、フィクションなんだけどけっこうドキュメン
タリーっぽくアドリブも多々あったといろいろ聞くと興味がわいた。

カメラが回ってないと思っていたしゃべりも全部撮られてて使われ
てたとか、豪雨のは本当に降って「ずーん」となっているシーンは
本当にテンションが下がってた顔だとか、現地の男性が主演ふたり
の言葉をおもしろく聞き違える場面があるけどあれはタクシー運転
手(だったかな?)で、突然出てもらうようお願いしたとか、バス内
で現地の人たちに声かけて笑ってしゃべってるのも、本当に乗り合
わせたリアル客で、その様子もずっと撮ってて使ったとか。
ふたりの服がそもそも、ほとんど自前だとか。
汗もリアルでそのまま撮ってて、メイクさんもいないので、鼻をケ
ガしたらそのまま映ってるとか、編集で、寝グセがある次のシーン
で急になくなってるとか。
監督は台湾で人気のアイドル兼ユーチューバーらしく、ふたりを助
ける役でもあり、撮影中に何度も道端でファンにキャーキャー騒が
れたとか。

へぇ〜そうだったんだ、へぇ〜なエピソードばかりで、もう一度観
たくなった。特に台湾好きな方は楽しい映像になっていると思う。
主演ふたりは初台湾で、すごく楽しかったのもリアルだそうだ。

 


『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち』(日本)


ネコ好きにはたまらニャイだろうな〜。


〈作品解説〉
動物写真家、岩合光昭がネコの目線で世界の街角のネコを撮影し、自
らネコに語りかける様子とともに紹介するNHK BSプレミアムの人気
番組「岩合光昭の世界ネコ歩き」の劇場版。1年にわたって青森県
軽地方に通って撮影され、人気の高い「津軽の四季」シリーズから
「コトラとその家族」、さらにコトラの子どもたちの現在の姿などの
映像を中心に、岩合氏がお気に入りの世界6カ国のネコたちの姿など
の名場面の数々をテレビ未公開の映像とあわせて再構成。
吉岡里帆がナレーションを担当。

 

特に動物好きではない私は「海外の風景も見られる」ことを期待して
いた。が、映画は冒頭からいきなり日本の雪景色。そこをネコがむこ
うからゆっくりゆっくり歩いてくる。
そう、解説を見たらわかるのだが、海外のネコの映像は間に挟まれ、
青森のコトラというネコたちだけドラマがある。
はじめはオオトラという母ネコと、こどものコトラ。
やがてコトラはお母さんになり、生後すぐの5匹の赤ちゃんたちの様
子が、なんと一週間も映し出されて、めっちゃカワイイ。
やがてこどもたちは大きくなり、自分で動き、いつのまにかコトラ
の姿は見えなくなる。その前に、その母親のオオトラもいなくなって
んだけど。それは、暮らしていた小屋を出産したこども(家族)たちに
明け渡して去る親心。
5匹のうち、1匹はいなくなったり、大きな事故に出合う子も。
ラストには、そんな赤ちゃんだったネコがまたお母さんになり…。

すてきなドラマを見させてもらった。
挿入される、トルコやモロッコやイタリア等のネコたちもすてき。
やはり映画館でしか見られない映像だそう。ネコ好きならぜひ。

 

f:id:uchide_eiga:20200916155950j:plain

『 人魚のこころ 』(日本)


NON STYLE石田明が脚本・出演も。ジェロも出てる。
めっちゃおもしろかった。謎解きもあって最後まで画面にくぎづけ。


〈作品解説〉
石垣島で撮影されていた映画「人魚のこころ」。
主演の女優・沖本は、追加撮影の為に再び石垣島へやってきた。 そ
こへこっそりプレゼントを持ってやって来た沖本の彼氏・縄井。
マスコミから逃れるように石垣島を楽しもうとしていたが、 実は彼
らの行動を追っている奴らがいた。
ホテルの外から部屋の様子をうかがう石塚
映画撮影スタッフを名乗る荒木
その仲間の松垣
隣から怒ってくる謎の外国人
石垣島で巻き起こる不思議なコメディー!

 

舞台挨拶が上映前にあり、「ほとんどプライベートフィルム。仲良
いメンバーで旅行して撮っただけ(井上はぜーったい呼ばへん!)。自主
制作レベル。寝てしまうかもしれません。僕と初恋太郎のシーンはい
らへん。」なんて言ってたから、つまらない映画かと。石田明ご本人
も、メンバーで思い出作らへん?と誘って撮ったし、30分くらいのつ
もりの脚本が、エキストラ募集に地元の中学生とかがいっぱい来てく
れたから全員採用!で書き直して長い作品になったとか、日本語で書い
てジェロには「これ勝手に英語でしゃべって〜」と渡したとか、予算
が少な過ぎて石田明とコースケ役は同じ部屋で宿泊した、とか言うし。

あ〜、違う作品を見に行けばよかったかな、失敗だったかと思ったら。
おもしろい。すごーくおもしろい。
「ツッコミどころが多すぎる」との紹介はそりゃそうだけど、誰がな
んのためにこれを、とか、この人物はナニモン、という疑問とか、意
外な結末とか、目が離せない。
世間話みたいなシーンが伏線になっていて、ラストに見事に回収され
ている。ちょっとファンタジーもあってイイ感じ。

ちなみに石田明とジェロが仲良しなのは、ジェロがデビュー前に"演歌
オタクの外国人をロケ"した以来ツレだとか。
(関西では"ツレ"とは友人のことも言うのだ。)
出演者たちも楽しくって、客もおもしろく見られる映画。