2017/京都国際映画祭②

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菅田将暉、この朝に韓国~関空、そこからヘリで京都入り。

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『 火花 』(日本)


ドラマ版よりも、イライラは少ない。

 


〈作品解説〉
お笑いコンビ・ピースの又吉直樹の初純文学作品「火花」。
漫才の世界に「夢」を持って身を投じるも、結果を出せず底辺でくす
ぶっている青年【徳永】と、強い信念を持った先輩芸人【神谷】が出
会い、「現実」の壁に阻まれ、「才能」と葛藤しながら歩み続ける青
春物語は、発表されるや、掲載誌「文學界」は驚異的な売り上げを記
録。単行本・文庫本の累計部数は300万部を突破し、そして<第153回
芥川賞>を芸人として初めて受賞する快挙を達成するなど、日本中で
大きな話題となりました。
さらに、2016年6月からNetflixでドラマ化され、さらに同ドラマがNH
Kで連続ドラマ(17年2月〜4月)として放映されるなど、300万人が
笑って泣いた、アホで愛おしい青春物語、待望の映画化!

 

映画版の神谷役は桐谷健太版。イイ俳優だと思うけど、やはり神谷が
好きになれない。そうなると、ストーリー自体も、徳永も好きになれ
ないのだ。でも2時間と短い分、イライラはしない。
だからけっこう、サラッと見ることができた。

予告編CMでもずいぶん流れている、「僕らスパークスは、今日が最
後の漫才です」…
今日で辞めるとか、個人的事情で感情的に仕事されても。
でも多くの人は感動したのかな。監督も、震えるくらいよかったと。
私はダメだ〜。

舞台挨拶は、その朝韓国で目覚めて飛行機で関空へ、そこからヘリで
京都に来たという菅田将暉と、板尾監督、川谷修士が登場。
主人公の徳永の漫才コンビはやはり20代〜の役なのに、相方役の川谷
修士はなんと20歳も年上の40代。
「ボク43ですよ、菅田くんと僕が同い年って…」と。会場も笑いが。
でも監督が「真っ先に修士が浮かんだ。菅田くんを安心して任せられ
る」、年齢差は感じない、と強い思いだったようだがそれを伝えると
スタッフはいぶかしげだったとか。
川谷修士は「すごくうれしいです!」
いろいろ裏話も聞けて、素直におトクだなぁと思えた舞台挨拶だった。

 

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主演の韓笙笙(ハンシェンシェン)さんと、製作スタッフの抹茶団子さん


 

『 全ては愛のため/痴情男子漢 』(台湾)


見られてよかった〜。
前半はコメディー、後半は趣がガラリと変わる。
京都も舞台になり、"時のすぎゆくままに"の台湾語バージョンもしみじみ。
(ラストに間を空けてネタバレあり)


〈作品解説〉
主人公は勇気を出して、学校内で一番綺麗な女の子、曼麗に告白。
だが、曼麗の彼氏からボコボコに殴られる。
1年後、曼麗が主人公の前に現れ、「お腹にいる子供のお父さんに
なってほしい」と頼んできた。
迷わずOKした主人公だが、2人の恋の行方は思わぬ方向へ。
重要なシーンが京都で撮影されているのも見どころのひとつである。

 

これもネタバレしてはいけないのかも、いや、ネタバレなしで見て
ほしい。もし公開したら、だけど。
最終的には「なーにが"1万年後も君を愛す"、だ。若気の至りめ。」
などとオバチャンはモンクを言いたくなってくるのだが、まぁ、
しゃーない。
後半、あれコレってもしかしてよくあるパターンの物語なのでは、と
気づくのは気づくんだが、まぁ、前半のコメディで許そう。
↑ダレ目線…

そう、前半が楽しい。主演の男の子と彼が恋する女の子、それ以外
の周囲がおもしろキャラ揃い。おじいちゃんもイイな〜。
結末はいいっちゃあイイけど、ある事情の人たちからは反発くらいそう。

音楽も良くて、沢田研二の"時のすぎゆくままに"ってこんなに響くメ
ロディだったんだ、と余韻が。"時の流れに身をまかせ"もしみじみ。

 

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後半の展開のネタバレ。

 

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「お腹のこどものお父さんになってほしい」。
主人公は父親になろうと決意し、反対する彼女の家族から離れるた
めに駆け落ちする(なぜか主人公の祖父も付いてくる)。
祖父の故郷の離島のホテルで仕事を探し、彼女と結婚を…でも彼女
は元カレが好きで、婚約しても一緒のベッドに寝るのもダメ。
でもだんだん、彼女との距離が縮まって…。
そのホテルには、他人の心が読める引きこもり女性もいて濃い人ば
かり。やがて彼女の家族に居場所がバレ、彼女は連れ戻され、娘と
結婚したいなら親と一緒にちゃんと申し込めと一蹴される。
親が死んだと聞かされていたのに実は日本の京都にいると知らされ
急展開。家から一歩も出なかった"引きこもり"女は「旅行するなら
日本って決めてたの!」と脱・引きこもりで同行。
探し当てたが母親だけ。しかも日本人と再婚していた。
なんと母親は妊娠後に別の男性と出会い、それが父だった。でも
自分の子でない男の子に愛情をそそげなくなり、出ていったと。
だからアナタもその彼女と結婚するべきではないと説得される。

結局は妊娠した彼女はめでたく元カレとヨリ戻し(というか妊娠発覚
後に連絡が途絶えたのは、実は彼女の母親が監禁していたから…)
主人公は引きこもり女性と旅で親密になってカップルに。
でも、私としては「他人の子を愛せるか」「絆は血のつながりでは
ない」という方向に切り込んでくれると期待していたのに、既成概
念におさまったのがなんだかなぁ。と思った。


『 We Love Television? 』(日本)

欽ちゃんって、ほんとスゴい人だったんだ〜。


〈作品解説〉
“視聴率100%男”の異名をもち、テレビをエンターテイメントの王様へ
と押し上げた立役者 萩本欽一の新番組制作に密着したドキュメンタリー。
監督は新番組企画の発起人であり、「電波少年」シリーズなど数々の
人気番組を手がけ、バラエティ界を席捲したあの“Tプロデューサー”こ
土屋敏男
実力派女優 田中美佐子と人気お笑い芸人 河本準一(次長課長)を共演に
迎え、構成担当にマルチに活躍する放送作家 高須光聖、番組セット担
当に今最も注目を集めるクリエイティブ集団 猪子寿之率いるチームラ
ボが参戦。新発想の布陣で挑む番組制作の模様を記録した。

 

これも「ネタバレ禁止」と言われ、映画祭サイトの舞台挨拶記事にも
「詳しくは映画をご覧になってください」と…。ありゃ。

40代の私は『欽ドン!良い子悪い子普通の子』を毎週楽しみに見ていた。
なのであの番組の裏話はもちろん興味があったが、それ以外とか、欽
ちゃん自体にはそんなに興味は…と思っていた。
それに、あの頃に視聴率が高かったからって、ほかにバラエティとか
なかったからじゃないの、と。
でも映画を見ると、笑いの作り方というか、スゴすぎる。

これは舞台挨拶で初めて知ったことで、でもネタバレとは違うから書
いてもいいだろうと…。
なんと欽ちゃんは、台本を使って何度練習をしようとも、本番では
まったく別のことをする人らしい。
劇中で、河本準一田中美佐子、その他子役etc.が何度同じセリフを
繰り返そうと、欽ちゃんは直したり指導したりするのに、本人はそこ
に一切入らない。なのに本番ではそのコントにぶっつけで、たとえば
"祖父役"等になってアドリブでこなすそうだ。
だから練習していたタレントたちも、結局台本のセリフを全く使わな
いことも。「そんな人なんですよ!!」と、河本準一が「どれだけ緊張
するか、どれだけ大変か…」と訴えるように話していた。
それらエピソードには客席もめっちゃ笑った。

ネタバレできないが、その河本準一出演のバラエティはNHKで今年
放送された番組らしいので見た方も多いのでは。
その練習から本番までにけっこうなアクシデントがある。
それもドキュメンタリーだから映画で流れ、びっくり。でもまた11月
にも萩本欽一バラエティが放送されるそうなので、楽しみだ。

 


『 KOKORO 』(ベルギー/フランス/カナダ)


國村隼、イザベル・カレ、安藤政信門脇麦ら出演。
静か〜な場面が多いので、お腹を満たしてから見るべし。
裸とかエッチシーンも少しあり。


〈作品解説〉
本作は、ある島を舞台に描かれる、心に傷を負った人間の回復の物語。
最愛の弟を亡くし、失意のなか日本を訪れたフランス人女性が行き
着いたのは、投身自殺の名所と知られる崖のある海辺の村。
そこで出会った元警察官の男は、悩める人々の心に寄り添い、自殺を
思いとどまらせていた。同じように傷ついた人たち、そして島の人々
との交流が、ゆっくりと彼女の心に変化をもたらしてゆく。
日本の圧倒的な自然のもと、ベルギー女性監督ヴァンニャ・ダルカン
タラが、フランスのオリヴィエ・アダムによる小説を穏やかに心洗わ
れる物語へと昇華させた。

 

これも「ネタバレ禁止」。それでなくても私には難しかった物語。
主人公のフランス人女性は、弟が死んで悲しいのはわかるけど、それ
以前に生活や家族の"何に不満なのか"がさっぱりわからない。
何かにムカついているような、沈んでいるような、テンション低いよ
うな、やりきれない思いで過ごしていたところに日本にいた弟が帰り、
テンション上がりまくり、笑顔いっぱい。
弟と楽しい気分のままオートバイで走り、でもチョッとだけ言い争って
その日は別れたら…。

で、弟が住んでいた日本を訪れる。そこでの出会いや生活は説明がな
くても味わえるのだ
が、私にはどうも最初が引っかかって、なんでこに作品が"いい映画"
なのかが理解できない。
"いい映画"というのは舞台挨拶で國村隼も言っていたので。
ダンナが嫌いなのか、こどもが嫌いなのか、仕事に不満があるのか、
はっきりした理由がなくても更年期でイライラしているのか。
しかもフランスに帰る前にスゴいコトしはるし…。ネタバレ禁止〜。
それが人生再出発のための前向きな行動なのか、やっぱり元の生活が
イヤだからというネガティブな気持ちなのか…これもわからへん。た
ぶん前者だとは思うが。わからんでいいのかもしれないが、そこが気
になってモヤモヤしてしまった映画。

 

泥棒役者 』(日本)


最後の最後まで席を立たないように。あのふたりも登場するから。


〈作品解説〉
丸山隆平(関ジャニ∞)を映画単独初主演に迎え、市村正親、ユースケ・
サンタマリア、石橋杏奈宮川大輔高畑充希片桐仁峯村リエ
ど豪華キャスト陣が集結!
とと姉ちゃん」「TIGER & BUNNY」等の脚本を手がけ、『小野寺
の弟・小野寺の姉』で初監督を務めた西田征史の監督第二作が完成!!

忍び込んだ豪邸で次々と別人に間違えられる【元・泥棒】。
正体を隠すために何役も演じるハメになった彼は、無事に屋敷を抜け
出して愛する恋人の元に帰れるのか…?
だまし、だまされの超!喜劇!!エンターテインメント!!!が誕生。

 

あ〜おもしろかった。笑った笑った。
内容は「うん、舞台って感じ」。ただ、室内セットはそうでもない
のに外観は立派だし予告編で豪邸・豪邸と連呼するのなら、それこ
そお手伝いさんがなぜいないとか、ツッコミどころは多数だけど。

うまくいきすぎの泥棒役者も、予告編でわかる方はわかると思うが、
実はある人物には途中で正体がバレる。
でもバレてからがまた新たな展開に。

これもネタバレしちゃいけないかも。
ということで、エンドロール後に誰が出るかは、この文章の最後に
間を空けて。

さて、京都の祇園花月で行われた上映で、チケットは完売。丸ちゃん
が来るわけじゃないのに完売とは驚いた。劇場は若い女性だらけ。
舞台挨拶は宮川大輔と西田監督。
丸ちゃんの差し入れのお菓子のセンスが悪いとか、笑わせてもらった。
劇中の絵本『タマとミキ』はイメージだけで途中の数ページしか
作ってないそうだが、完成させて出版しては?との声には「それは
1年くらいかかりそう」。
けどユーチューバー役の片桐仁の動画は本当に「YouTubeにあげます!」
8本分で13分くらいあるそう。公開前にアップするそうだ。
ちょっと楽しみ…かな。

 

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エンドロール後のネタバレ


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小野寺より子・進の姉弟が登場〜。
(西田監督作品『小野寺の弟・小野寺の姉』)
宮川大輔のその後も見られる。

 

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林海象監督、俳優の堀内正美さん

『 LIFE 』(日本)


永瀬正敏主演。
2年前にこの映画祭で上映された『GOOD YEAR』と合わせた3部作
のひとつ。
これはセリフが少なく、じっくり、じわじわとくるものがある…。


〈作品解説〉
2014年から、映画監督の林海象が連作している自主制作映画の第二弾。
福島第一原発20km圏内の避難地区に住み続けた1人の老人の孤立死
その遺品回収に主人公の男は向かう。そしてそこで男の見たものは、、。

 

なんせ雪深い地というだけで、自然の脅威とかそこに住む人間の我慢
強さとか、"ゆるい"とか"笑い"と反対の、マジメに対峙する作品。
前作はファンタジーな感じで、でも今作は現実の社会問題を捉えたリ
アルな主題。なんだかなぁ…関西にいる私は無関係のように生きている。
本当は同じ日本人として考えないといけないのに。と反省したくなる。
自治体職員役のセリフ「これで誰もいなくなった」は実際に阪神淡路
大震災で仮設住宅の最後のひとりを送り出した職員の言葉であり、今
回の服装も、神戸のものを借りたとか。
三部作の最後、『ボルト』もすでに制作中とか。これもぜひ見たい。