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て言うほど行ってない人間の

2017/沖縄国際映画祭②

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小出恵介が主演だった、配信前。

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Netflixドラマ (当時は小出恵介版)
『 Jimmy〜アホみたいなホンマの話〜 』(日本)

 

1話&2話を鑑賞。あ〜笑った笑った、泣いた泣いた。
我慢してても涙がツツー…


〈作品解説〉
幼い頃から何をやってもダメだった男が天才お笑い芸人に出会い、
導かれ、失敗を繰り返しながらもやがて“本当の自分の道”を見つけ
出すまで──。

天才芸人・明石家さんまが企画・プロデュースし、ジミー大西や周
りの仲間たちとの実際の体験談を主軸に、夢を追う人々とそれを応
援する人々の姿を描く連続ドラマを制作。
Netflixオリジナル作品として世界190カ国同時に配信が始まる。
ジミー大西明石家さんま役には中尾明慶小出恵介ら随一の演技
力を持った俳優たち。
喋り方から佇まいまでジミー、さんま本人とシンクロさせつつ、そ
の心の内を豊かに彩り、魅力的なキャラクターを作り上げている。
そのほか芸人仲間やマネージャーなど、ふたりを取り巻く人々に尾
上寛之、六角慎司宇野祥平濱田マリ木南晴夏らが集結。時に
ツッコミ役、時にスパイスとなって盛り立てていく。
さらに監督は『101回目のプロポーズ』『BOSS』など数々のヒット
ドラマを世に送り出す光野道夫。絶妙のバランス感覚でユーモアと
ペーソスが折り重なる青春の日々を紡ぎあげた。
ジミー青年が本当に巻き起こした“ありえへん”エピソードの数々に
笑いながらも、孤独や劣等感を抱えながら成長していく姿、支える
人々の愛と友情に涙してしまうこと請け合い。大いに笑って、ホロ
リとさせる、第一級のエンターテイメントが誕生した。

 

映画ではないが昨年の『火花』同様、少しだけ映画祭で紹介して、
続きはNetflixで。これは泣けて笑えて、続きが見たいと思った。

1話と2話だけと言っても、1話の中に3本くらいのミニストーリー
が連なっていて見ごたえがある。
涙したのは・・・中尾明慶演じるジミー大西がほとんど知的障害
者のようで最初は大げさに思えたのだが、実は他人の言うことが
なかなか理解できなかったり数字や指示を覚えられなかったりと、
彼は多くの人とは違う性質で苦労があったようだ。
(ちなみに染色体が1本少ない等の障害と違って、発達障害などは
程度問題だなと大人になって気づいた。私も切手をまっすぐ貼れ
ない・シーツや折り紙の角を揃えられない、という経験が多々あ
るから。私もそうなのだろう。)
そのせいですぐ叩かれたりいじめられたりパシリにされたり…
もうかわいそうでかわいそうで。感動でなく、悲しくて涙が出る。
彼はもちろん平気ではなく、ずっとつらい思いをしてきたのだ。

吉本興業には清掃や雑用係として採用され(こどものしつけに、悪
いことをしたら関西では「吉本に入れるで」と親に言われた時代)、
当時すでにスーパースターで吉本のドル箱だった明石家さんま
見て好きになり、つきまとうようになる。
あ、"ドル箱"って死語かな、若い子はわからんね。
ひょんなことから代役か何かでセリフひとことだけのキャストで
新喜劇に出演することになり、そこでやらかした大失敗はのちの
ちの語り草に。怒られ、殴られ蹴られ、落ち込む大西をさんまだ
けが「お前オモロイなぁ、その人生を笑い飛ばせ」みたいに言う。
この、何をやってもダメで・・・と語りだす大西と、笑うさんま
のシーンは感動で涙。
大西にクビを宣告した上司に、だったら自分も辞めるとタンカを
切るさんま。もうクライマックスやないか〜ぃ。こんな大シーン
が最初のほうにあるなんて。

新喜劇の俳優になれと言ったのもさんま。
でもやはりうまくいかずうまくできず、2話の最後に決心をした
ところで視聴者も「あれっ、どうなるん」と続きが気になる…。
続きが見た〜い。

まぁ〜小出恵介明石家さんま役だからな、各話の最初と最後に
本人たち2人が登場し「われわれ、本物はあんなカッコよくない
けどやなぁ〜」と笑わせる。
突拍子もないエピソードがだいたい実話で「あれホンマなん」
「ホンマです〜」「○○も?」「あれもホンマで…」。
ちょっと性的に身内とは見にくいシーンもあり、ジミー本人が
「やっぱあのシーン入ってた〜。姪っこと見んとこ」とか。

何より、六角慎司のMrオクレがソックリ。(←関西以外の人、
知ってるんかな)彼を見るだけでも楽しい。
しかし東京生まれ東京育ちだそうで、見た目ソックリなのに大阪
弁に苦労したらしい。でも違和感なかったぞ。
舞台挨拶では俳優4人とジミー大西本人と監督が登壇し、主演の中
尾明慶は「それはそれはもう・・・苦労しましたよ。だって、こん
な人を演じるんですよ?皆さん自分がやると想像してみてください!
大変も大変!」と本人を目の前にして力説。

さんまはよく現場に来て最後まで見ていって演技指導もするという
力の入れようも紹介されたけど、小出恵介やっかいなことしたねぇ。
(のちに、さんま役を玉山鉄二で撮り直し・・・)

 


『 ハングアウト 』(インドネシア

うーん・・・不潔キャラやネタがしつこいし、殺人動機が「なんや
ソレ」だけど。日本人キャストでも見たい〜と思った作品。


〈作品解説〉
主人公Raditya Dikaのもとに、何者かからとても怪しい招待状が届く
ところからストーリーは始まる。その招待状には、彼の金銭的な問
題を解決するに十分な金額が約束されていると書かれており、その
上、とても静かな島の中心にある家に行かなければならないという
言葉も。彼は、その招待状に従い、島へ向かう事に。

彼が島に着くと、他にも何人かが招かれており、自分を含めて9人の
招待客と一夜をともにすることになる。ディナーのとき、Mathias
Muchusが突然毒をもられて死ぬことから悲劇が始まるのだった。
ゆっくりと、ひとりひとりが、みな違った方法で死んでいき、、、

この事件から生き残る方法は?
Raditya Dikaもまた、この招待状のせいで犠牲者になってしまうのか?
誰がこの事件の黒幕なのか??

 

招待客9人のうち、主人公含む2人の男性がコメディアンで、あとは
全員役者である。女性は3人。コメディアンが爆笑問題の田中とカン
ニング竹山っぽいので日本ならこの2人に演じてほしい。
しかし女性の…ひとりが不潔きわまりないのだ。
仕事がないとシャワーを浴びない、無人島だからと野グ○はする、
しょっちゅうワキのニオイを嗅いだり触って嗅ぐ。その触った手で
料理をつかみ「酸っぱい!これ腐ってる!」「お前のワキだよ!」とい
うやりとりも。この女優はテレビではキレイにしているらしく、参
加者のひとりは「あ〜オレ、ファンだったのにゲンメツ…」となったり。
皆有名人なのだが初対面の者もいるのだ。
この女性が始終、下ネタというか下品ネタでヘキエキ。
日本人キャストなら誰がこの役を…やはり芸人かな。

映画祭だから、タダだからって初めてインドネシア映画を見た方々が、
かの国をこんなだと思わないでほしい。
当たり前だけど、めちゃくちゃシリアスでいい作品もあるから。

招待客が次々殺されて、互いを疑心暗鬼する展開だが、犯人は意外…
いろんな殺人モノを見ている方なら途中で「こっち側の誰かかな〜」
と気づくかも。

しょーもないような、おもしろいような、日本人で見てみたいような作品。

 

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『STAR SAND』織田梨沙と監督

『 STAR SAND ─星砂物語─ 』(日本/オーストラリア)


ラストが、あざとい。

 

〈解説〉
1945年4月の沖縄。
戦禍から遠く離れた小島で暮らし始めた16歳の少女・洋海は、洞窟
に隠れ住む日本兵・隆康とアメリカ兵・ボブという青年に出会う。
戦うことが厭になって軍を離れた“卑怯者”の日米2人の脱走兵と少女
との間には、穏やかで不思議な関係が築かれてゆくが、ある日、隆
康の兄の登場を機に、洞窟の中の平和は崩れ去る。

2016年の東京。
大学生の志保が卒業論文の題材として教授から手渡された日記には、
1945年に沖縄の小島で暮らしていた16歳の少女の見聞きしたことが
書かれていた--。

監督・ロジャー・パルバースが、かつて自身が監督助手を務めた大
島渚監督の映画『戦場のメリークリスマス』と同じく、太平洋戦争
の時代を舞台に描いた“星砂のように、小さく、美しい、戦争映画”。
東洋と西洋の邂逅を寓話的に描くとともに、現代そして未来へ、希
望を託す物語である。

 

戦時中の物語も、現代パートもよかった。
現代の女子大生役の吉岡里帆が、全然アツくなくて、淡々として
いて、あまり興味なさそ~に論文のためにいろいろ調べたり質問
したりするのだが、その淡々さがイイ。
ボールペンの販売時期からあることを発見するのはすごい。
教授も感心。
ただ、最後がね・・・ある人物が登場するのだけど、よくある
演出で、私はちょっと興ざめ。

 

『 劇場版 お前はまだグンマを知らない 』(日本)


あ〜笑った笑った。
でも、ち○こネタ連発は飽きる。


〈作品解説〉
グンマ。
それはニッポンのほぼ中央、北カントウ地方西部に位置する内陸の地。
古より周りを山に囲まれたこの地は、「ニッポン最後の秘境」「古代
グンマー帝国」ある事ない事散々言われているが、その実態を知る者
はいない。そんな謎多き土地に転校してきたとある高校生・神月。独
自性の強い文化、さらに異常なほどグンマ愛が強いクラスメイトたち
に、困惑し、翻弄され、そして恐怖に慄く。
そんな中、神月は学校一の美女、篠岡京に恋をする。だが彼女もまた、
生粋のグンマ人!さらに、グンマとライバル関係にあるトチギ、イバ
ラキとの争いにも巻き込まれていく。


もう、顔芸がスゴくて、間宮祥太郎がフルーツポンチの村上にしか
見えない。内容は、最近流行りの"ご当地自虐モノ"である。
グンマがいかに田舎か、いかに風が強すぎて困るか・女子の脚が太
いか、変わった文化がぎょーさんあるか。
「起立、礼」とちゃうんかい、これはケンミンショーか何かで見て
私も知ってるが、その他これでもかこれでもかとテンポよく観客の
腹筋を攻めてくるのでたまらん。

事件が起こって謎ときでもありながら、アノ女優や北関東3県の有名
人も次々登場して名産品やおかしな習慣を盛り込んで展開するので、
お笑い番組を見るようで映画としてはどうかなという気もするが、グ
ンマーでなくても楽しめること必至。

ただ、不明点がいくつか。
ほんこん椿鬼奴が夫婦役なのだが、ほんこんがフツーに関西弁だか
ら関西からの観光客の役だと思ったのに「グンマ人やのに湯あたりし
てしもた…グンマ人やのに」
などやたら「グンマ人やのに」と繰り返している。あれ、地元民の設
定か。でも、ある観光名所に迷う話から始まるので、何かに騙されて
グンマ人魂を植え付けられたということなのか、それにしては主人公
ほんこんからもらう"湯の花"にもオチがなく、意味わからん。
グンマーならわかるのだろうか。
これは公開してから誰かに聞いてみるとしよう。