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て言うほど行ってない人間の

2023 / (TIFF) 東京国際映画祭⑤

©2023 TIFF

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ハイスクールはダンステリア♪



コンペティション
ペルシアン・バージョン 』(アメリカ)

 



1980年代にイランからアメリカに移住し、イスラム革命のために帰国できなくなったイラン人母娘の一代記。アメリカとイラン二国間の緊張関係の中で生きる人々を描く。随所に見られるミュージカル風演出が素晴らしい。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3601CMP09



今回の上映中、いちばん楽しい映画った。
まず、シンディ・ローパーの "Girls Just Want to Have Fun" 、大好きな韓国作品『サニー』でも使われているのでそれも思い出してワクワクした。
主人公はレズビアンの娘なのだけど、途中からの回想シーンで母メインでは、と言うくらいの展開。
母の半生、引き込まれるな~。
ただ、若い頃と俳優のイメージが違いすぎるのでは。
主人公と似ているので一人二役でもおもしろかったと思う。

イランでは○○と言われ、アメリカでは○○。。。移民の宿命?がツラいなぁ。
「すべてのイラン女性に捧げる」には泣いちゃう。
そしてラストにペルシアン・バージョンの "Girls Just Want to Have Fun" が聴けてうれしい。


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©2023 TIFF

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" 美しい風景 < 経済環境 " であった。。。


コンペティション
『 西湖畔に生きる 』(中国)


中国緑茶の産地として有名な西湖の沿岸に暮らす母親と息子の関係を軸に、経済環境の変化の中で揺れるひとつの家族の姿を美しい風景の中に描く。デビュー作『春江水暖〜しゅんこうすいだん』(19)で世界を感動させたグー・シャオガンの監督第2作。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3601CMP04


作品解説にだまされた~。いや、ちゃんと書いてあるやん。せやな。
"経済環境の変化" て。。。
それにしても、それがメインみたいにめっちゃ長かった。
マルチ商法にのめり込んでいく母親、とりわけ手を叩きながらホイホイと踊る姿はホラーのようなコントのような。
吹き出しそうになるので、以降、腹が立つことがあるとこのシーンを思い出している。
笑えて怒りがおさまるのだ。

主人公のウー・レイ、イケメンだなぁ。目の保養になる。
最初のほうで家族に仲を裂かれても、ずっと母役の女性に寄り添っている男性が優しい。
ラストに希望があって、ちょっと "美しい風景" も見られる。

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いいハナシっぽい映画。



ワールドフォーカス
『 耳をかたむけて 』(中国)



『オクスハイドⅡ』(09)の監督リュウ・ジャインが『鵞鳥湖の夜』(19)のフー・ゴーを主演に迎えた作品。弔文を書くことを仕事とする男の葛藤を描く。上海国際映画祭コンペティションで監督賞を受賞。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3604WFC01



後半の数十分しか見ておらず、構成的に途中からだとなんだかわからないストーリーだった。
ただ、このイケメンは『西湖畔…』の彼では、と思ったらやはりウー・レイだ♪
こちらにも出ていたのか、見られてよかった。
なにがなんだかだったけど、セリフがわりと多くて静かに進み、ラスト、まっすぐなまなざしで主張するシーンが「これ、ハナシわかってたらグッとくるやつ」。
上映後の拍手が多かったのも印象的だった。

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あまり見たくない世界だったかな。


コンペティション
『 野獣のゴスペル 』(フィリピン)


ある組織のために働き始めた貧しい青年が目撃する凄惨な出来事を通してフィリピン社会の闇の部分を描く作品。監督デビュー作『海の道』(10)が東京国際映画祭で上映されたフィリピンの俊英、シェロン・ダヨックの最新作。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3601CMP07



こういう社会もあることは知るべきだし、それこそ映画祭の醍醐味、という気はする。
でも、暴力だらけ、殺人だらけ、主人公は短期すぎ…こればっかりが続いて食傷気味に。
なんせ冒頭は学校生活だからフツーの少年の暮らしのはずなのにいきなり短期すぎる。
同級生を殺しといて、処置をすれば助かるかもしれないのに放置して遠くに逃げる。アカンアカン。
そりゃあそこでイイ子してたら映画にならんけど。
でもホントに、フィリピンは暴力だらけらしい。

NARUTOのTシャツや犬の名前が "日本" なのはちょっとおもしろい。

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©2023 TIFF



グーさん、めっちゃカッコえぇ~



コンペティション
『 ロングショット 』(中国) ★最優秀芸術貢献賞


リストラに揺れる1990年代半ばの中国東北部の工場で起こった衝撃的な事件を題材に、体制の急激な変化の中で苦闘する人々を描く。終盤に展開する銃撃戦の演出が素晴らしい。スケールの大きな驚くべき監督デビュー作。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3601CMP08



実在事件が元で、工場労働者の話だから男の世界。
そこに、素行がいいとは言えない少年とその母親が主人公と絡んでいいアクセントに。
ツッコミどころは多いけど、終盤の銃撃戦はシビれる~♪

主人公が射撃の元選手だと指摘する、いかにも悪人顔の男性がインパクト大。
登場するたび、一触即発かと常にドキドキした。

それと、同僚のガンヅ役の俳優、ぜったいどっかの映画で見たことある。
でも名前もわからない…気持ちわるーい。

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©2023 TIFF



生ぬるい日本では、想像しがたい暮らし。



ユース TIFFティーンズ
『 私たちの世界 』(コソボ/フランス)



『燃ゆる女の肖像』(19)に出演した女優、ルアナ・バイラミの監督作品。自らのルーツであるコソボを舞台にふたりの女子大学生の関係を描く。ヴェネチア映画祭オリゾンティ エクストラ部門で上映。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3608YUT01



主役の女の子ふたりはとてもかわいくて、フツーの若者なのに。
大学の寮はひとり分しか空きがないとか、授業も講師が来ないとか、寝るのも勉強もままならない。
だいたい大学に入学したのも内緒で進めて、親や家からの逃避である。
そこに未来は見出だせなかったから。

大学に来たって、混乱の中で卒業できたとしたって、就職もできない可能性が高いのだ。
それでも青春もかいま見えたり、男子といい感じになるかと思えば、考え方の違いなどが浮き彫りになったり。
いろいろと考えさせられて、出合えてよかった作品。