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て言うほど行ってない人間の

2023 / (TIFF) 東京国際映画祭①

©2023 TIFF

第 36 回東京国際映画祭
開催期間:2023 年 10 月 23 日(月)~11 月 1 日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイト:www.tiff-jp.net

 

東京グランプリ/東京都知事賞:『 雪豹 』(中国)
観客賞:『 正欲 』(日本)



今年もプレスパスで30本余、鑑賞させていただいた。
まだ海外ゲストが少ないけれど、トニー・レオン氏来日にテンションが上がった。
アジア作品を多くチョイスしていると言いつつ2年連続、なぜか韓国作品がほぼゼロなのが残念。
昨年に続いてマイノリティキャラや、「世の中って生きにくいよね」という内容が目立ったように思う。
加えて「この人(たち)死んでたのか」というのを3本ほど観たので、死生観テーマも多かったのかもしれない。


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©2023 TIFF



80年代の日本カルチャーも楽しい♪


ワールドフォーカス部門
『 成功補習班 』(台湾)


作品解説
1994年、予備校に通う3人の高校生が新任の英語講師に導かれてゲイ・コミュニティーと親交を深めるが…。俳優として知られるラン監督が亡き恩師をモデルに描いた青春回想録。


予告編
https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3604WFC17


ポスターからして3人組の話かと思ったら。
うち2人が軸で、ひとりの女の子が少し絡んでくるのがいいアクセントになっている。
もうひとりは、友人2人にも親にも言えない悩みを抱えている塾経営者の息子。
悪役っぽいけど経営者もひとりの親として描かれていてグッとくる。

ゲイの英語講師の「陰で生きたくない。太陽の下で…」の主張が切なくて。
飯島愛の名前が出て、エンディングは "モニカ" で、中年世代にうれしい。

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©2023 TIFF


よかった。最後は、これで終わり?ってかんじ。


ワールドフォーカス バスク映画特集
ライ麦のツノ 』(スペイン/ポルトガル/ベルギー)


ガリシア州の村で助産婦として働くマリアは、ある事件がきっかけで警察から追われ、ポルトガル国境へと逃亡する。女性たちの力強さが描かれた作品。トロント国際映画祭、サンセバスチャン国際映画祭で上映。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3604WFC32



あらすじにある本題に入るまでが長い。
主に登場する女性は、マリア、カルメン、ルイサ、テレサ
冒頭の出産シーンが長くて、見ていて疲れそうな…
いよいよ事件が起こって逃亡の連続にはハラハラする。
人種差別も考えさせられるストーリー。


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©2023 TIFF

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かわいい絵にいやされる。



アニメーション
『トニーとシェリーと魔法の光』(チェコ/スロバキア/ハンガリー)


11歳のトニーは、体が輝く特殊な体質の持ち主。ある日、近所にシェリーという風変わりな女の子が引っ越してくる。ふたりは、アパートに出没する闇の塊の秘密を知ろうと探索を始める。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3606ANM09


ストップモーションアニメで、色合いとかが美しい。
"まっくろくろすけ" みたいなのが登場するけど、かわいいと思ったらけっこうおそろしい精霊だった。
大人のイヤミとか生死とか過保護とか、いろいろドロドロもあって少年少女のほんわかな友情だけではないストーリー。
ラスト近くは、引っ越しちゃうの~どうなんの~とちょっとハラハラ。
シェリーの懐中電灯から広がる風景が鮮やかで、そのシーンが都度楽しかった。


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©2023 TIFF

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冒頭のシーンがなんだったのかわからずじまい。


コンペティション
『 ロクサナ 』(イラン) ★最優秀男優賞


『南から来た少年』(97)で東京国際映画祭ヤングシネマ・ゴールド賞を受賞したシャーバズィの最新作。魅力的な女性と出会った青年が巻き込まれる出来事を通してイランの若者たちが置かれた不安定な状況を描き出す。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3601CMP11



お酒を所持しているだけで逮捕されたり、かと思えばバイクはノーヘルで乗っていたり。
キツいのか緩いのかナゾなイラン。
若者の不安定さを描いているそうな。
なぜ金がないのに借金していろんな機具を揃えて自営の仕事を始めるんだ。
被雇用者になればいいのにと思うけど、そういう求人がないのかもしれない。
ロクサナは美人だから、主人公ぽい男性以外にもいろいろと言い寄られるのだろう。

車場荒らしに遭ったり、被害2回ともなぜ警察に通報しなかったのか。
伏線や回収があったのか自分がわからなかったのか、ラストも不明で冒頭につながらない。
見ごたえがあったけど、ナゾだらけで終わってしまった。
でも終始シリアスなわけでなく、ところどころユーモアもあり。


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©2023 TIFF

©2023 TIFF



うーん。眠気は起きなかったけど、とても静かな映画。


コンペティション
『 わたくしどもは。 』(日本) 2024公開予定



過去の記憶を無くした女が、同じく過去の記憶を持たない男と出会い恋に落ちる。主演は、小松菜奈松田龍平。この映画は、彷徨える魂の物語である。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3601CMP15



静か。なんせ静かで、公開されたら空腹で観ると危険である。
「彷徨える魂の物語」とあるので、まぁそういうハナシである。映画通好みかも。
自然豊かな場所で、えんえんと続く静寂、"日常"とはかけ離れたような丁寧な言葉遣い、名前がない人物たちが現れては消えていく、不思議な雰囲気の世界。
主演の二人に、大竹しのぶの存在感もさすがだった。