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て言うほど行ってない人間の

2023 / (TIFF) 東京国際映画祭②

©2023 TIFF


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観る前から泣いちゃうやつやーん。


アジアの未来
『 離れていても 』(香港)

 



香港返還の1997年に始まり、10年おきの2007年、2017年の3部からなる一家族の年代記。父と娘をめぐる20年の歳月に香港社会の変化が映り込む。プロデューサーはスタンリー・クワン

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3602ASF01


ヤク中の父親に、がんばって働く妻、父に振り回される娘2人。
1997年、2007年、2017年。
マクドナルドや日本がけっこう登場する。
マクドハッピーセットは父との思い出、切ないピアノ曲が誘うノスタルジー
移住者は香港人じゃないと差別される事実、身分証が "R" 開始でバレるらしい。
どこの地域もそういうのがあるんだな。

2017年の長女役サーシャ・チョク氏が監督&脚本も、にはびっくり。若っ。
香港返還期から描けるってスゴい。日本語も上手。


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ワタシ的にはめっちゃ良かった~。


コンペティション
『 真昼の女 』(ドイツ/スイス/ルクセンブルク)


オーストリアを代表する女性監督バルバラ・アルベルトが、注目のドイツの作家ユリア・フランクの小説を映画化した作品。従軍看護師として働く女性が不幸な結婚の末に自らの生き方を模索するプロセスを描く一代記。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3601CMP03


ラストのセリフには、泣く。
「話を聞かせて」。ここでブツッとエンド。
名前と出自というアイデンティティー、それを変えないと生きていけない状況は生ぬるい日本人の私には想像しがたい。

冒頭にある程度現代のシーンがあって回想に行くので、そうかそういう事だったかと後でわかる構成。
もういっかい観たい。
私はめっちゃ見ごたえあって感動したけど、新聞記者の数人の評価がけっこう低かったので、アレレ。


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内容のわりには長すぎた。


ガラセレクション
『 ムービー・エンペラー 』(中国)


アンディ・ラウが、自らのイメージを変えるために風変わりなインディーズ映画に出演するスターを演じた風刺コメディ。現代中国映画界のヒットメーカー、ニン・ハオの最新作。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3603GLS09


アンディ・ラウの新作とな、それは観なければと期待しすぎたのかも。
アンディ・ラウが傲慢で、コメディだしジャッキー・チェンやディカプリオといった世界的有名俳優の名前が彼の口からポンポン出てくるのは楽しい。
役作りで農村の生活を見たいのに、大スター登場に村が大騒ぎの大歓迎で普段の様子など観察できずお忍びで行くと泥棒扱い、そこもおもしろかった。
"ボレロ" の曲がしょっちゅう使われたのはどういう意図だろう。楽器や調が変わって違う雰囲気を演出していたような。
なんせ長くて、ちょっと飽きてしまった。


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不思議な。。。音楽がやたらとうるさいのがある。


コンペティション
『 曖昧な楽園 』(日本) 11/18公開



不特定の場所と時間を舞台にあてどのない旅を描いたふたつの物語は、決して交わることのないまま並行していく。生と死をめぐるふたつの物語を、SF映画のような雰囲気をまとった独自の手法で映し出す。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3601CMP05


167分。長い。同じような繰り返しも多い。
二部に分かれていて、前半のヤングケアラーっぽい話は母だけがずーっとしゃべり続けているので関係性に胸が痛くなる。終盤はついに。。。
後半は、なぜそこで置いていくのかと思ったら、登場人物が死者なのかと後でわかったり。
そう言えばほかの人に声をかけられて返事をしなかったとか変なシーンがあるのだけど、ではなぜその人にも見えていたのか、とか辻褄が合わず気持ちが悪かったりする。
芸術系映画なのかな、私にはあまりおもしろくなかった。
ダンスシーン、音量がデカすぎる曲がえんえんと続くのにはイラッとした。


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あと20年もすれば。。。いやいや。


ワールドフォーカス バスク映画特集
『 ディープ・ブレス 女性映画監督たち 』(バスク自治州)


3人の女性ダイバーたちを案内役として、バスク地方の女性映画監督たちの過去と現在を描くドキュメンタリー。美しい海の風景を背景に、多彩な女性監督たちの業績が紹介される。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3604WFC30


スペインの女性映画監督たち。
今回の映画祭で上映の『20000種のハチ』『ライ麦のツノ』『スルタナの夢』の監督も出演していて興味深い。
「女性の作るものは品質が低いと疑われる」だから2倍も3倍も努力だったかクオリティ高いものを作らないとだったか、なかなか認められない悲しさ。

女性作品が特異でなく、あと20年もすれば自然になる、とおっしゃっていた。
でも私は。
女性監督の映画を把握していないけれど、20、30年前も今とあまり変わらなかった気がするのだが。
何十年たったら、自然になるのかな。


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なかなか楽しい発想。


ワールドフォーカス バスク映画特集
『 スルタナの夢 』(スペイン/ドイツ)


1905年にインドのベンガルで書かれたフェミニスト短編小説をモチーフに、女性たちのユー トピアを探してインドを旅するヒロインを描いたアニメーション。サンセバスチャン国際映画祭で上映。

https://2023.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3604WFC33


少し時間があったので冒頭20分だけ鑑賞した。
ちょっと暗っぽいけどカラフルな絵が印象的。
架空の国、女性たちが外の噴水や公園やきれいな場所で楽しくおしゃべりしている。
男性は屋内にいる。
どうしてなのですか、という質問に「男を建物に閉じ込めて、外に出るのは女だけ」

男に抑圧されている現代、という前提だとすれば、おもしろいファンタジーだなと。
後半はツラい現実が描かれるのかもしれないが。