色彩と音楽がよかった。
予告編と解説
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3301TKP05
りんごしか食べない男。記憶喪失。
リハビリのプログラムに従い、いろんなシチュエーションで写
真を撮りためたりコスプレみたいなのをしたり。
シュールで不思議な運びで、アート系映画ってこういうのかな。
ただ、犬が出てくるシーンでは、あれ?・・もしや。
終盤では、りんご以外を食べる展開もあるのだが、何か劇的な
変化が彼にあったっけ。自分の記憶がふわふわしている。
サイモン&ガーファンクルで有名なスカボローフェアが移調の
カバー曲で魅力的だし、ほかの洋楽もよかった。
映像はビビッドではっきりしていたと思うのに、ところどころ
スモーキーカラーのようなイメージがあって、音楽と合ってた。
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『トラブル・ウィズ・ビーイング・ボーン』(オーストリア/ドイツ)
2つの章に分かれているのか続きなのかナゾ。
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3304WFC05
エリというアンドロイドの少女が、娘の代わりとして男性と一緒
に暮らしている。娘の記憶もインプットして。
娘のように、と思っていたら何やらアヤしい様子も感じられる。
エリが突然いなくなり、別の人格として生きていくのか、もしく
は別人(別アンドロイド?)なのか、少し髪型の違うコドモと今度
は高齢女性との生活が続いている。
頭が混乱する。ナゾがナゾでわからずじまい。
アンドロイドといえば、第28回TIFFの深田晃司監督『さようなら』
を思い出す。こちらは被災地から移住する話で、その土地から次々
に人間がいなくなる話だった気がするので、今回のとは毛色が違う。
でも、どちらも近未来を予測させる設定かもしれない。
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『悪の絵』(台湾)
うーん。胸が痛い。
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3304WFC19
服役中の殺人犯の絵を世に出そうと奔走する画家。「作家と作品は
切り離せるのかという難問に挑んだ」とあるけど、日本でよく議論
になるそれとは大きく違う。
俳優の出演作品が、逮捕によって公開するのかお蔵入りにするのか。
この映画は、無差別殺人を犯した後なのだ。
それに反省をしているそぶりはなく、ニヤニヤ偉そうな態度である。
展覧会の反対運動が起こり、プロデュースする画家は被害者側から
暴行も受ける。
悪い意味でラストは観客に丸投げっぽくて、ざらついた後味。
表現の自由は、もちろんあるだろう。
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『デリート・ヒストリー』(フランス/ベルギー)
ネットあるある♪笑える。
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3304WFC02
も~、「私はロボットではありません」の信号機や横断歩道を何回
もクリックさせる場面のちょっとした怒りとか、お客様センターに
かけても何十分も待たされ、しびれを切らして電話から離れると…
など納得すること必至。
男女が三者三様のトラブルを抱えて奔走するも、やはり一番笑える
のは酔った勢いのH動画を撮られて脅される女性。
あぁどうして何度も同じ失敗をしてしまうんだろ、息子に知られた
ら大変、と他人事だからおかしいのだ。
何も考えずに楽しみたいコメディ。
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『リトル・ガール』(フランス)
けなげで切なくなる。
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3308YTT04
性別違和で、女の子になりたい男の子のドキュメンタリー。
家族は理解して働きかけても、学校は話し合いを拒否したり先延ば
しにしたり、異常者だというレッテルを貼ろうとする。
ラヴェルの"亡き王女のためのパヴァーヌ"の旋律が美しくて涙。
知人が読めばバレるけど、私にはこどもが複数、男女ともいる。う
ち1人は小さい頃からロン毛で赤やピンクが好きな男の子である。
スポーツが好きで、ハローキティのぬいぐるみも好きだった。
女の子になりたいとかスカートを履きたいという願望は全くなく、
どっちかというと乱暴な子で、やれ級友をケガさせた、やれ備品を
壊したと連絡があって謝りまくったこと数回。
ボーイ度は全開で、髪を伸ばすのも好きな色も彼の個性なのだ。
運動が得意だからそこそこ人気者らしくイジめられるなんてことは
なかったようで毎日元気に走り回っていた。
家庭訪問で聞いた話。息子「先生、皆がロン毛ロン毛って言ぅ~」
先生「ロン毛やん~」、息子「せやな~♪」である。
なのに。
この映画のサシャはおとなしい。傷ついている。大人たちに毎日毎
日傷つけられている。涙がたくさんあふれる。家族も流す。
もう、こちらも泣かずにいられない。
ウチの子とは性格も環境も願望も全然違う。
性別違和も、男女別の刷り込みも共通の認識となるよう切に願う。
最近は、プリキュアもごっこ遊びも、変わってきている。
ただ、ホルモン注射や第二次性徴のケアや心と体の変化等、個人個
人に丁寧に対応する必要の難しさがあることもたしか。
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『オマールの父』(イスラエル)
ヨーロッパ人の逆ギレ度って、ある意味スゴい。
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3301TKP02
映画でもよく描かれる、イスラエル・パレスチナ国境が関わる物語。
イスラエルで嬰児で死んだ我が子を抱いてパレスチナに戻ろうとす
る男。いろいろな壁が立ちはだかり、もし実話なら死体臭はひどい
だろう。ところどころに「なんのにおい?」ってセリフが挟まれる。
なんだこの男、といぶかしがる妊婦だが放っておけなくなり、助け
てしまうロードムービー。
日本人なら遠慮とかしてしまうところを、道中で協力してもらって
るのにキレたり、ラストもそれはないっしょ、とちょっとガッカリ。
男のことはよくわからないけど、妊婦の生活や親との関係、昔のこ
とがほどかれていく様子は興味深かった。
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ある意味おもしろかった。
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3304WFC09
原っぱとか屋外のシーンが多いし、女性数人も村人1・2・3みた
いな登場人物もいるのだけど、メインが3人で舞台劇のよう。
殴打シーンはコントみたいに、なぐってるマネで笑った。
思い返すと殺人も多々で、口封じに脅されるシーンもあったのに、
なんだかコミカルなイメージで終わってしまった。
というか、内容をあまり覚えていないモノクロ映画。
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『ジョゼと虎と魚たち』(日本)アニメ ※最後に数行開けてネタバレあり
えーっ。なんだかキレイで、泣けた。
https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3302SPS09
昔の、池脇千鶴&妻夫木聡の実写版を見ただけに、驚いた。
設定も展開も結末も、ぜんぜん違う。
これはこれで泣けたし感動したし、ただ、若い人がこのアニメ版が
先で実写版見たら、世界観が違いすぎてびっくりするのでは。
それと、ジョゼは祖母と暮らしてたから古い関西弁が出るのは当然
としても、彼のバイト仲間とか、大阪の若い子はあんな言葉遣いし
ないから。名探偵コナンの服部も同様。あんな子いないからね。
↓ ↓ ↓ ↓ ネタバレ
実写版のジョゼはそもそも車椅子に乗っていないので、アニメ版の
ポスターにまず驚いた。
実写版はラストに2人は別れ、ジョゼは自立しないといけないから
やっと車椅子を使うのだ。
お婆さんは保育園で幼児を数人乗せて散歩するような台車みたいな
のに乗せてたし、彼にはずっとおぶってもらって移動していた。
いかにも大阪の昭和の下町が舞台で、アニメのような梅田やなんば、
天王寺のオサレスポットなんて出てこない。
だいたいジョゼは20代で未就学という、いつの時代なんだ設定。
妻夫木聡演じる彼はセフレとやりまくってる。ダイビングショップ
でバイトとか、留学なんてコトはかけらも出てこない。
何より、彼の弟が引越し手伝いで初対面のジョゼを「うわ、リアル
障害者」と言うところ、上野樹里演じる彼女が「障害者のくせに、
障害者のくせに」と繰り返すセリフ、このあたりはけっこう重要だ
と思う。それがアニメの彼女は「彼があなたといるのは同情だから」
と言うけど、なんとマイルドなことよ。時代的にかな。
アニメ版はハッピーエンド。いや、よかったよ。泣いたよ。ちゃん
と役所の人の余計なお世話発言も出てくるよ。
でも、キレイにまとまってる感があって、苦みが抑制されている。
まぁ新旧2通りを楽しめばいいかな。