映画祭に行こう 映画館に行こう

て言うほど行ってない人間の

TAR/ター

演奏シーンが少ない、転落ドラマだった。

 




『 TAR/ター  』(アメリカ)
                                               

                       

〈あらすじ  ヤフー映画より〉
リディア・ター(ケイト・ブランシェット)は、ドイツの著名なオーケストラで初の
女性首席指揮者に任命される。リディアは人並みはずれた才能とプロデュース力で
実績を積み上げ、自身の存在をブランド化してきた。しかし、極度の重圧や過剰な
自尊心、そして仕掛けられた陰謀によって、彼女が心に抱える闇は深くなっていく。






実在人物だと勘違いしていたので、「コロナ禍」という言葉が出てきて、
え、今も生きてる人なのか、なんてますます思い込んでしまった。
フィクションだった。

音大生への指導シーンや、かつての教え子っぽい指揮者を目指す女性との
メールのやりとりを助手に無視するように言うあたりから、彼女の傲慢さ
が観客にもだんだんわかってきて、どんどん悪いほうへ転んでいく。
その "悪いこと" のたび、セリフや説明がなくても、女性たちの表情が
「えっ」
「ちょっ…」
「なんでなん」
みたいに伝わって、こちらも、あ〜ぁ、となってしまう。

若いチェリスト女性がターに送ってもらって車から降り、クマちゃん人形
を忘れていったのは故意だったのか、やっぱりワナだったのか。

まぁ、フツーに考えてもヒドいことしてるよなぁ、と思う。
再起に向けて出発した彼女だけれど、歌舞伎では猿之助はこれからどうす
るんだろう、なんて考えてしまった。

本筋と無関係だろうけど、多数のレコードジャケットを素足で踏みつける
ように選り分けるシーン、あれはいったい…私は不快だったんだけど。
傲慢さを表していたのかな。
あと、期待していた演奏シーンがめっちゃ少ないのが残念。