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て言うほど行ってない人間の

2023/沖縄国際映画祭②




レッドカーペット

 


どしゃぶり時間もあった前日とうってかわり、夏日で快晴の2日目。
何年ぶりかに見学させてもらった。
観客の数がすごいし、朝から場所取りにイス持参の人々も少なから
ず見かけた。

やっぱりユン・ソンモの登場で黄色い声がむちゃくちゃ飛び交うし、
マスコミのシャッター回数もケタ違いだと思う。
私も「イケメン~♪」と何枚も撮ってしまったー。

ほか個人的に嬉しかったのは、エイサーの格好をしたピカチュウ2体
の着ぐるみと、沖縄食糧のお米のキャラクターの着ぐるみ。
"でいごくんとまいちゃん" という名前だそうな。
彼らがアニメで登場する天気予報が好きなのだ。
今回は北海道米ゆめぴりかのPRでもあったそうな。

もちろん、俳優をたくさん見られるのが一番嬉しかったのだけど。
皆さん暑そうだったなー。特に黒スーツの男性は大変。

 

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コメディー部分はいいんだけど。


連続ドラマW-30「ドロップ」1話2話特別上映


〈ストーリー〉
ヤンキー漫画に憧れて「不良」になることを決めた信濃川ヒロシ
細田佳央太)は、私立から公立の狛江北中へと転校してきた。そ
こで待ち受けていたのは、想像以上にハードな不良生活だった…。
転校初日に不良グループのリーダー・井口達也(板垣瑞生)から呼
び出され、早速喧嘩をすることになるも、達也に完膚なきまでに叩
きのめされ、刑事の荒牧にも捕まってしまう。そんなヒロシだった
が、達也やルパン(森永悠希)、森木(林カラス)、ワン公(大友
一生)から喧嘩を通じて仲間の一員と認められ、ヒロシはその得意
の口喧嘩とハッタリを武器に、不良たちと喧嘩の日々を送っていく
ことに…。
近隣の狛江西中の不良グループの襲来、そして隣の調布からは調布
騎兵隊の登場、さらには最強のヒットマン!?から元ヤクザまで、
ヒロシの相当ハードな不良生活が続く…。

 


品川ヒロシ監督作品はいくつか見ていて、好きなほう。
でも『ドロップ』は映画もコミックも知らない。
不良とか、殴る蹴るとかケンカとかってシーンはあまり好きでない。
それにいつも思うのが、「いや死ぬくらいの状態やろ」ってな殴ら
れかたしてるのに、「イテテ…」くらいで済んでるのがおかしい。
ってあんな殴られたことないけど。

細田佳央太は『ドラゴン桜』で知って、今回楽しみだった。
沖縄が初めてだそうだ。演技ではアクションが初めてだそうで、で
もテンポ良いコミカルな役だからハマってるんじゃないかな。
監督に言わせれば走り方がヘンらしくて、フルポン村上みたいな
ヒザ神に近いと…会場爆笑。それは見てみたい。


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え、妹、それでえぇんか。と言いたくなる。


『 釜石ラーメン物語 』


〈ストーリー〉
釜石でラーメン屋「小川食堂」を営む父と妹の所に、3年前に家を飛び
出して音信不通だった長女・正実が突然帰ってきた。
東日本大震災で行方不明になった母・正恵の代わりに、父・剛志が店
を継ぎ、妹・仲良が病気がちな剛志を助けて厨房に立っていたのだ。
姉妹の衝突が続くある日、剛志がついに倒れ、入院することに。そこ
で正実は「小川食堂」が町の人たちにとってとても大切な場所になって
いたことに気づくのだった。
山と海に挟まれた小さな街・釜石。
明治・昭和・平成と幾度も災害を経験しながら、お互いを支え合って
生きてきた。今も昭和の面影が色濃く残る街並みを舞台に、街の人々
の人情を織り交ぜた家族の再生の物語が完成した。

 


これはダメだった。
なぜ主人公をヤンキー上がりのクチ悪い設定にする必要があるのか。
妹はマシと言っても姉妹でクチ悪い。
クチ悪くても人情が、と示したいのかもしれないけど、客として来て
くれている近所の人の悪口もけっこう吐いている。失礼。
井桁弘恵のイメージにも合ってないし無理ありすぎだし、いろいろと
わざとらしい。

で、なぜ長女ばかり皆がチヤホヤするのか、鈍感だらけなのかここの
人たちは。
ラストはちょっと泣けてしまったけど、全体にモヤモヤするハナシ。


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最悪、という感覚がマヒする。


『 遠いところ 』


〈ストーリー〉
第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で最高賞を競うコンペティション
部門に選ばれ、現地の観客に熱狂的なスタンディングオベーションで迎
えられた本作は沖縄市のコザを舞台に、幼い息子と夫との3人暮らしを
する17歳のアオイ(花瀬琴音)が、社会の過酷な現実に直面する姿を描
いている。
社会の理不尽と不条理を突きつけられ、悲痛な想いを抱いて絶望しなが
らも、“生”を渇望するアオイの姿。ひとりの母親が抱く我が子への想い
によって、極限の人間ドラマが動き出す。
監督は工藤将亮。「アイムクレイジー」(2019)「未曾有」(2023公開
予定)に続く3作目で世界中の映画祭から注目を浴びることとなった。

 


あらすじ読んで、うわー重っ…と避けたかったが海外の映画祭で絶賛かぁ、
と見てしまった。
ツラい。見続けるのがツラい。
ひどい境遇で「もう短編でいいからここで終わってほしい」と願ったが、
次にはもっとひどいことが起こり、さらにさらに沈んでいく。
ツラいという思いもマヒして、もうとことん、死ぬか殺すかくらいまで
行ってくれ、なんて願ったほど。

これはホント、発展途上国や沖縄の一部の話ではなく、もう日本中で起
こってもおかしくない状態なのだろう。やはり知っておかなければ。
で、これが私の映画祭ラストの鑑賞作品で、なんで最後がこれ~と嘆き
たくなるけど、舞台挨拶でいっぱい笑わせてもらった。

DV夫役が「ひどいヤツですよねぇ皆ぼくのこと嫌いですよねぇ」で登場、
役作りのため本当にうるま市の建設現場で働いてたけどキツすぎて逃げ、
「リアルまさやじゃーん」と役名で言われて会場爆笑。
アオイ役の花瀬琴音も、当たり前だけど実物は笑顔でかわいいし。
彼女も映画の部屋でリアルにひと月暮らしていたとか裏話も楽しい。
こういった社会問題を扱った作品を見られるのも、映画祭ならでは。
やっぱり見てよかったな。

 

 

おわり。