「君に借りなどないはずだが」「いいえ、ありますわ」
『 戦争と女の顔 』(ロシア)
〈あらすじ ヤフー映画より〉
第2次世界大戦後の1945年、ソ連・レニングラード(現サンクトペテルブルク)。
戦争に従軍した元兵士・イーヤ(ヴィクトリア・ミロシニチェンコ)は、心的外
傷後ストレス障害(PTSD)を抱えながら病院で看護師として働いていた。ある日
発作を起こし、面倒を見ていた子供を死なせてしまう。そんなとき、子供の母
親で戦友でもあるマーシャ(ヴァシリサ・ペレリギナ)が戦地から帰ってくる。
彼女もまた戦争の後遺症を抱えており、心身ともに疲弊した二人は生活を立て
直そうとする。
友人のこどもを死なせてしまう場面、めちゃくちゃツラい。
拷問シーンも厳しいけど、あの長い、こどもが息絶えていくところはもう。
けっこう最初のほうなので、メンタルがやられてしまう。
「あなたが生んでよ」と、上司っぽい男性と子作りを企む元女性兵士。
そこで男性から「借りなどないはずだが」みたいに言われ、いいえあるはず、
みたいに返す。これが不思議で。
もしかしたら、亡くなったこどもをこの男性が最初はイーヤの子だと思って
いて、それをマーシャに「こどものいない君にはわからんだろうが」と
言ったことが借りなのか、気になってしまった。
映画館のパネルの説明を読んで、女性兵士も国のためと持ち上げられていた
のに、帰還すると差別が待っていて皆隠して生きている、と知った。
マーシャが彼氏の母親にズバリ差別されるシーンもある。
なんでこんな悲しいことが繰り返されるんだろう。
命があってもいいことがないなんて。