2016/京都国際映画祭①

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(過去分を転記)
10/13~16開催。
今回のオープニングセレモニーは世界遺産の二条城で。
ふだんは見られない場所に入ることができて、いい機会だった。
祇園甲部の舞妓さん、芸妓さんの「ぎをん」の出し物として催され
ている手打ち「廓の賑」の儀式も京都らしくて良かった~。

 


では、映画。

 

『 オー・マイ・ゼット! 』(日本)


おもしろくて、グロい。


〈作品解説〉
東京03角田晃広が映画初主演を務めるホラーコメディ。
ゾンビパニック勃発から5年後。事態は収拾し、いまやすっかり平和
を取り戻していたある日、一体のゾンビが一軒の民家に迷い込む。
そこに偶然居合わせた一軒家に住む夫婦をはじめ、動画投稿が趣味の
高校生、町工場のさえない社長、怪しげなインターンの医師、そして
ゾンビの生前の妻だと名乗る女がソンビ捕獲に乗り出すが、物語は予
想外の展開に!


グロいのを除けばコメディなので、ゾンビものや東京03が好きな方は
ぜひ。ネタバレなしで見たほうがイイ。
近未来、いやもうちょっと遠い未来?ゾンビ騒動があった・法整備も
された、というのがすでに過去になった時代。絶滅したかと思われた
ゾンビを偶然見かけた高校生男子があとをつけ、見知らぬ家に入った
ゾンビを閉じ込めてから物語が展開する。そこから別の男性や家の住
人が絡み、あのゾンビは夫ですと言う女性まで現れ、なりゆきで隣家
に集合。でもそのうち数人がウソをついていたことがわかり、それぞ
れの事情が明らかに。

後半は「あ〜あ〜、あかんて、あかんて!…ほら、言わんこっちゃない」
という顛末が。ラストは笑える。

 

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『MIFUNE』

『 MIFUNE : THE LAST SAMURAI 』(日本)

やはり、スゴい人だったんだなぁ。


〈作品解説〉
世界の巨匠に愛されてきた唯一無二のサムライ俳優・三船敏郎
家族、親交の深かった俳優やスタッフ、国内外の映画関係者など
多岐に渡る膨大なインタビューと貴重な映像資料により、三船敏
郎の波乱万丈な人生と映画作品、そして、サムライ映画を世界に
知らしめた三船の極めて貴重な役割、そのサムライ精神に迫った
ドキュメンタリー映画


世界のミフネと言われているけれど、私は年代的に作品を見たこ
とがない。でもこういう映画を見ると、どんな人だったのかとい
うのが少しでもわかるし、なかなか楽しかった。

まず、もともと俳優になりたかったのではない、には「へぇ〜」。
カメラマン志望で入社したのに俳優部門にまわされたらしい。それ
で世界で有名になる俳優が誕生したのだから、運命ってすごいな。
インタビューでミフネに100回以上斬られた男、とか、主にこれま
た私の年代では名前を知ってる程度または名前も知らない、ゆかり
の俳優たちがミフネとの共演の思い出などを語っていく。登場する
たびに、後方客席から「あ〜ダレダレ〜」とかキャーとか、嬉しい
叫びも上がる。一部女性だけだが。
私は、役所広司スピルバーグが出ると「おぉお〜」になるな。


上映前には監督や三船敏郎のお孫さん、映画祭アンバサダーの名取
裕子の舞台挨拶があり、特にお孫さんのエピソードが興味深かった。
家でもあのままで、侍のようだったとか、孫たち数人でピーナツを
食べていて、いたずらで誰かが隣の子の分を取ると、すでにお爺さ
んは車椅子で歩けない状態だったのに、すっくと立って、ものすご
く恐ろしい形相で怒ったとか。皆で分けあうことや食べ物の大切さ
をずっと説いていた人だったらしいので。

なんかしつこいけど、年代的にこの俳優をカッコいいとかも思わな
いのだけど、いろいろと話を聞くと、作品が見てみたくなった。
というか、名作揃いなんだからちゃんと見ろよ、なのだが。

 

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『荊棘の秘密』トークショー。韓国俳優は来なかった。

『 荊棘の秘密 』(韓国)


“ばらのひみつ”というタイトル。・・・読まれへんわっ。
いやしかし、おもしろくて、おそろしかった。


〈作品解説〉
ソン・イェジン×キム・ジュヒョク、韓国を代表する名優の競演!
私の頭の中の消しゴム』『ラブストーリー』など珠玉の悲恋ド
ラマで日本中の涙を誘ったソン・イェジン。数々の映画、ドラマ
で主演を務め日本でも絶大な人気を誇る名優キム・ジュヒョク
韓国を代表する2大俳優が『妻が結婚した』以来、6年ぶりに再共
演を果たした話題作!


私の頭の中の消しゴム』からもう随分たつんだなぁ。ソン・
イェジンが高校生の子を持つ母親役かぁ・・・あ〜おそろしいス
トーリーだった。絶対ネタバレなしで見たほうがイイ!
音楽が、歌もBGMも良かった。

政治家の夫の選挙運動初日。高校生の娘が行方不明になり、その後
遺体で発見された。
娘殺しの犯人は誰か、失踪届けさえ「出さなくてよい、選挙に響く。
遊んでいるだけだろ」と言い放ち、選挙運動を続けた夫、ちゃんと
仕事をしているのか疑わしい警察、じゃあ私ひとりでも捜すわ!と行
動する妻は何者かに襲われ…それは夫のライバル候補者の関係者。
しかも自宅に盗聴器も仕掛けられていて、それもライバル…娘殺し
もアイツらか。その一方で、娘が母に告げた友人の名も電話番号も
ウソ、学校では娘イジメがあったことも判明し…犯人は選挙か学校
関係か。不可解な言動をする教師もおり、事態は絡み合ってるのか
無関係なのか。その人物の特別待遇の理由は?血だらけ姿の目撃が
あるのにその服から血液反応が出ないのはなぜ?と謎が謎を呼ぶ。


ラストに真相はわかるものの、登場人物たちの交差の時系列が複雑
すぎて一部思い出せない。あの前後はどうだっけ…。
しかしそれだけに、展開が読めずにハラハラドキドキする。おぞま
しい真実が待ち受けているのだが、母親にとっては、それでも知った
ほうが良かったのだろうなと私は思う。自分の立場でもそう思う。
娘のPCを開け、IDを探りにカスタマーセンターに本人と偽ってパス
ワードも送らせる。
未読メールが5000以上もあって「整理しろよ…」と呆れるも、2年
前にも遡って不審な内容を夜な夜なチェックする執念がスゴい。
全編シリアスだが、娘の学校の生徒で、六角精児みたいな女子が登
場した時は、「(桐谷美玲主演の)ヒロイン失格か」と吹き出し
うに。この子のほうが似てるかも!
しかもこの女子も重要な鍵を握ってたりする…
ただ、“ワイルド・ローズ・ヒル”という歌が犯人捜しのキーになって
いるのかと思いきや、そうとも言えるが真相との関連はやや薄かった
ように感じた。それほどのインパクトがなかったというか。

ある人物が主人公に、あの子(娘)は鬼だ、だったか悪魔だ、みた
いなセリフがある。しかし、お前もやろ!とツッコミたくなるし、
まぁ鬼だらけというかなんというか。
それと、政治のドロドロで盗聴器があったが、それ、夫らも相手に
やってて慌てて「今日中に取り外せ」みたいに指示しているのも
「へぇ〜」だった。知らぬは妻ばかりなり。
韓国ではそれが常態なのか、日本でも実はよくあることなのか。
ラストに、母親に対する娘の生前のある言葉が友人から発せられる。
それ、泣くよ。
母親は若い頃やんちゃで成績も悪く、娘は似ていた。このための回
顧だったのか〜。
そして、娘殺しの黒幕に母が取った行動は・・・あな、おそろしや。

今回はジャパンプレミアで、今んとこ東京公開しかないみたいだが、
もっかい見たい。


『 FAKE 』(日本)


時の人となった作曲家の、ゴーストライター騒動のその後。
「衝撃のラスト」に期待しすぎてしまった・・。


〈作品解説〉
佐村河内守氏の自宅でカメラを廻しその素顔に迫る。
取材の申し込みに来るメディア関係者たち、事の真相を取材に来る
外国人ジャーナリスト…。
市場原理のよってメディアは社会の合わせ鏡となる。ならばこの
ゴーストライター騒動」は社会全体が安易な二極化を求めている
ことの特徴と見ることもできる。
はたして何が本当なのか?誰が誰をだましているのか?
映画はこの社会に瀰漫する時代の病をあぶりだしながら衝撃のラス
トへとなだれ込む。 

 

公開中のドキュメンタリー映画である。佐村河内氏には興味津々。
私もマスコミの先入観で、この人がウソつきなのだと思い込んでい
たが、この撮影で「新垣氏がウソつきだ、なぜ彼がウソをついたの
か全くわからない」と佐村河内氏は繰り返し、結局、新垣氏はこの
映画を作った森監督の取材申込みも断り、「いつか佐村河内さんと
一緒に謝罪したいですね」とテレビで言いつつ、佐村河内氏にも会
おうとせず今に至っているという。
・・・新垣氏がウソつきなのか。今度はそう考えてしまう。

最後に外国人ジャーナリストが核をつく。そうそう、最初から聞き
たいことの重要なひとつはソレじゃん、と期待する。
そして、佐村河内氏が必ずしもエセではないんだろうなとはなんと
なく思うのだが。
ラストのセリフは、「衝撃的」と期待したからか、えっ。まぁ・・
「なるほど。」という感じだった、私には。


上映後に森監督のトークショーがあり、観客からの質問。
「あの続き、佐村河内さんは結局なんて答えたのですか」、知りたい!
「忘れました。本当に覚えてないんですよ」とのこと。ガーン。
なんだか監督もひょうひょうとしていて、ナゾな人だ。